父親が、小さいながら株式会社を経営しておりましたが、営業の運転中に脳梗塞を発症し緊急入院の後、甚大な障害が残ることが判明して、経営が困難になり、その結果膨大な借金が残りました。会社の経営については、僕を含め家族は全く関与しておらず、普段の父親の話の内容から、会社は順調だと思っていた家族全員が、借金の額を聞いたときは震えあがりました。
会社の従業員の方と弁護士、法務局などを回って、倒産の手続きを進めました。念のため、会社が取引していた銀行の口座、個人口座のほうも全て解約し、年金の受取口座も他行に替えました。
法人名義のものに関しては、依頼した弁護士のおかげで、被害は最小限で済ませることができましたが、個人として契約していた会社の機械などの額は少なかったこともあり、自己破産はしない道を選びました。弁護士の指摘通り、東京や大阪を中心とした発信の電話がひっきりなしにかかってきました。倒産から数年が過ぎた今も電話はかかってきますし、額は大きくないながらも会社の機械に対する借金返済の催促のはがきが自宅に届きます。
我が家は決して裕福と言えないので、いつかは払わなきゃいけないと分かっていても、何とかギリギリまで耐えようということになりました。その中で、会社名義の契約で父親が連帯保証人となって組んでいた車のローンが一番気がかりでした。30枚ほど束になった払込用紙が何通届いてもしばらく払わずにいたのですが、電話の本数が増えてきて、ローン会社の方が家を訪ねて来られたときに、もう払うしかないと悟りました。